ある男性が身近にいます。他人に対しては、「あれが問題」「ここがおかしい」と厳しく文句を言うのですが、自分のことは「できない理由」をつけていつも先送りをしています。その人と一緒にいると「いつも批判をされている」ようで、居心地が悪いです。一方で、人の言葉に傷ついてしまうことが多いようで、「昔言われた言葉」をよく覚えています。人の言葉をよく誤解して受け止めてしまう傾向があるようです。話す時にとても気を遣います。どんな対応をしたら良いか、アドバイスをお願いします。
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ご質問をありがとうございます。
その方と一緒にいると、批判をされているようで、居心地が悪くなり、気を遣われるのですね。
その方と、どのように対応したら良いかのヒントを考えてみます。
その方の特徴を分析し、いくつかの関わりの方法を提示したいと考えています。
いつも3つのポイントでお話を進めていますが、(①目的論、②課題の分離、③励まし)
今回は、②「課題の分離」を最初に考えていきます。
一言で言えば、その方(Jさんと仮称します)は、
自分と相手との「課題」がしっかり分離できていない、
(混ぜこぜになっている)のだと思われます。
「自分のすべきこと」を誰かの責任にしたり、
「人がすべきこと」を自分が変えようとしてしまう、そのことは問題の「根本原因」だと思います。
Jさんは、「人の言葉をよく誤解する」と書かれていました。
そういう方は、人と自分の境界線(バウンダリー )が、あいまいなため、
「自分の考え」と「人の考え」は同じと思い込み、人の言葉を「自分流」に解釈する傾向があります。
(理屈と言うよりは、感情での思い込みです。)
つまり心の奥で、人はいつも自分を「分かってくれるはずだ」と思い込んでいるです。
(自分と「同じ」なのだから、分からなければならない、と他人に強制をしてきます)
その結果、コミュニケーションが上手くいきません。(当然です)
そして、自分の意に反する言葉に「驚き」過剰に傷つきます。(自分と「同じ」はずなのにおかしい、と思います。)
そして、自分の考えが「分かって貰えない」と嘆きます。(「同じ」だから分かるはずなのに、おかしいと悩むのです。)
それは「前提が間違っている」からです。
その方は、自分と他人を「分離」しなければなりません。
「自分の考え(感じ方)」と「人の考え(感じ方)」まったく別である、と理解しなければならないのです。
人は自分を理解するはずである、、、これは妄想です。
「現実を直視」しなければいけないのです。
表現しなければ、そして努力しなければ、理解して貰えません。(努力しても理解されないことも多いはずです。)
そういう傾向があるJさんと対応するには、どんな点に注意したら良いのでしょうか。
いくつかあるでしょうが、
私が、最も重要だと思うポイントは、「確認」です。
言ったことが上手く伝わっていないように感じたら、
「〇〇の意味で言ったのですが、伝わりましたか。」(言い方が悪くてすいません、と言えたらベストです。)と確認をしてみて下さい。
聞いたことが、おかしいと思ったら、
「△△と言われると、私は〇〇と理解しますが、それでよろしいですか」
「△△と言われると、私は〇〇と感じてしまうのですが、誤解ですよね」
等々、確認をするのです。(もう少しくだけた言い方の方が良いとは思います)
できるだけ「笑顔」でお語り下さい。
(そういう方の中には、「内容」よりも「顔の表情」で反応する方がおられますので、「笑顔」は、最高のツールです。)
①「目的論」を考える。
そういう方の中には、過去に執着する、過去の事例にこだわる場合があります。
人からされたことを忘れず、「ずっと根に持って」いたり、
「〇〇だから難しい」
「△△だから不可能だ」と
「原因論」ばかりに目を向けます。
(自分を安定させるために、現状や未来ではなく「過去」に執着するのです。)
「自分ができない理由」をどこかの「原因」に求めるのです。
本来は、「過去の原因」を押さえながらも、
「現実を直視」し、「未来」に解決するための「目標」を明確にし「実行する」のが、
具体的な対策です。
しかし、「自分のすべきこと(責任)」を回避するために、
「過去に言い訳」を求めるのです。
「自分のすべきこと」
「人のすべきこと(人に委ねること)」
を分けなければなりません。
以前取り上げた「ニーバーの祈り」が参考になります。
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(大木英夫 訳)
「過去に理由」をつけて、
「自分を変えないこと」を「正当化」することは、誤りです。
(「人を自分の思い通りにしようとする」のも、間違いです。)
過去の「原因論」から離れて、
未来の「目的論」に注視すべきです。
本来人間は、現実を見て「自分を変え続ける存在」だからです。
次回、もう少し解決策を掘り下げてみます。
祝福をお祈りしています。
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