私たちは、「見える世界」に生きています。そして毎日を忙しくしています。
時間がないために、どうしても物事を「表面的」に見てしまいます。
「一部」だけを把握して、処理をしなければ、こなし切れません。
じっくりと立ち止まって、「深い部分」まで考える「心の余裕」が、なかなか持てないのです。
そのため、表面的に「知ってるつもり(分かったつもり)」で、終わらせていることが多くあるのです。
それは、「自分自身」にも当てはまることです。
表面的な現象だけを見て、「自分の本音」を無視して、慌しく生きていると、
どこかで「心が枯れて」しまいます。(枯れていることに気がつかない場合は、相当重症です。)
私たちの多くは、「中身が満たされない中」で、「虚勢を張って」生きています。
ですから、そんな時「心を理解してもらう」と嬉しくなります。
表面的な理解だけでなく、
「本音を分かってもらう」と、幸せを感じるのです。
「表面的だけの、ものさし」で理解されるのではなく、
「心の深い部分まで分かってもらえる、ものさし」で理解されることを、私たちは求めているのです。
ここに「神様を信じる」ことの意味があります。
神様は、心の深い部分まで見ておられます。神様を信じ意識すると、自分の本音を見て頂いていることが、分かります。(実感が大事です。)
1サムエル(旧約聖書)16:7
「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る。」
神様を知ることの、もう一つのメリットは、
「自分自身の心」を大切にするようになる、ことです。
神様に「自分の深い部分の心」を知って頂いていることが分かると、それも「愛してもらっていること」が分かると、「自分を大切」にするようになります。
神様が「こんなにも自分を愛して下さっている」のだから、「自分を受け入れ、大切」にできるように(自然に)なるのです。
(真に愛された人は、他人だけでなく、自分をも愛するようになれるのです。本当です。)
さて、本題に戻ります。
今回は、「知っているつもりの問題点、危険性」です。
「知性化」という言葉があります。
「未知のもの」に出会った時、人は「自分の知識や概念」で分類をして、知的に分かろうとします。
そして「ある程度は分類ができる」のですが、
「知的」に処理できたことによって、「すべて分かった気になる」ことがあるのです。
これはとても危険です。
「知性化」の恐ろしさは、
そう思い込むことによって、思考停止(それ以上考えようとしなくなること)なのです。
「それはもう知っています!」
あなたがその言葉を出すときに、頭の中で情報をシャットアウトしているのです。
本当は「知らないはず」のことでさえ、受け付けなくなるのです。
自分はすでに知っている・・・これは「高ぶった考え方だ」とも言えるでしょう。
「高慢」は、目を曇らせます。
富士山を知っている人は、静岡県の南側の姿、と山梨県の北側の姿が違うことをよく知っています。
もっと正確に言えば、360度あらゆる違う角度の見え方があるはずです。
「分かっている人」ほど、「自分は分かっていない」ことを知っているのです。
今回のポイントは、
「一部を知って」も、「すべて分かった訳ではない」です。
むしろ、「知っている」と思い込むことで、逆に「見えなくなる」ことがある、という点です。
ギリシャのソクラテスが言った「無知の知※」につながる考え方です。
(※あなた方は、知っていると自分を誇っているが、私は「知らない」ということを知っている。)
心の中で「自分は知っている」という思いが浮かび上がったら、
「本当だろうか」と自分自身に問いかけてみましょう。
そして「もっと別の見方があるのではないだろうか」と考え、情報収集に努めましょう。
たくさんの情報を積み上げたならば、「結論は自然に明らか」になってくるものです。
これが「真実に忠実な姿」です。
正しい結論は「データーに裏付けされた」ものです。
友人や会社の同僚、身内の家族・・・
意外と知っているつもりで、知らない部分があったりします。
新しい一面を見つけることができたなら、素晴らしいと思いませんか?
「既成概念」「固定観念」、、、仕事や将来に対しても、
それらの常識を越えることができたならば、
「素晴らしい発見」がきっとあるはずです。
「知っているつもり」を乗り越えることは、素敵なことです。
祝福をお祈りしています。
ピリピ(新約聖書)3:12
「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕らえようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕らえてくださったのです。」
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