私の職場に、「平気で嘘をつく人」がいます。
自分の頭の中で、「都合の良いストーリー」ができているようで、指摘をしてもいつもごまかします。
人の目をとても気にしているようですが、嘘ばかりつくので、周りは呆れています。本人は、おどおどしながらも、ごまかし切れると思っているようです。また時々逆ギレしています。(完全に「オオカミ少年」になっています。)
同じ職場ですから、無視する訳にもいかず、対応を苦慮しています。アドバイスを頂けますでしょうか。
ご質問をありがとうございます。
「平気で嘘をつく」方への対応ですね。
「自分の頭の中で都合の良いストーリー」をつくっているということです。
闇が深い、と思います。
具体的な対応は、かなり難しいとは思いますが、ヒントとなればと思い、いくつかのポイントを書かせて頂きます。
その方(Bさんとお呼びします)の立場に立って、考えてみます。
①「都合の良いストーリー」をつくるのは、自分を守るため。
自分を守る(保つ)ために、人間は大きく分けて二つに分かれます。
a、「自分の信念を保つこと」で自分を守る人と
b、「人から評価されること」で自分を保つ人。
(実際は、どちらも混ざっているというのが現実のところですが、分かりやすくするために分けて考えます。)
しかし、その二つともに、努力が必要です。
「自分の信念を保つこと」を求めると、極端な場合、修行僧のようになります。
様々なことを犠牲にして、「信念を優先」します。時には、人から嫌われることも覚悟しなければなりません。
一方「人から評価されること」を求めると、自分を犠牲にしなければなりません。極端な場合、自分の信念に反することもしなければならないケースもあるのです。
多くの人は、葛藤しながら「そのバランス」を作ろうとします。
自分の欠点や弱い点を反省し、愛情の足りなさに、悲しくなりながらも、前を目指すのです。
しかし、実は「とても簡単な方法」があるのです。
(それをBさんは選んでいると思われます。)
それは、c、「都合の良いところだけを集めて、都合の良いストーリーをつくること」です。
(人間性が問われますが、それさえ無視できれば、最も簡単な方法です。)
その場合、「結論」が、最初にあります。
「自分は正しい、良い人」という結論です。
そしてその根拠になる材料を集めます。当然「自分に都合の良いもの、だけ」を集めます。
見つからない場合は「願望を創作(嘘の脚色)」をします。
「自分ができていないこと、問題点」は、無視します。
そして問題を見なければならない場合は「すべて人のせい」にします。(結論が、自分は良い人ですから、悪い材料は、あってはならないのです。)
「都合の良いストーリー」ですから、その矛盾を突かれると、理屈では簡単に破綻します。
その場合、破綻させないために、さらに嘘(創作)を重ね、それでも難しい場合は、逆ギレをし自分は被害者と主張し始めるのです。(これがBさんが逆ギレする心理だと思われます。)
そして現実を無視し「自分はできている、つもり」になっています。
苦しみを伴う「地道な努力」は嫌いなのです。
②考え方の芯がありません。
a「自分の信念」でもなく、b「他者への奉仕」でもない、
c「怠け者で嘘でごまかす考え方」ですから、
当然考え方に「芯」がありません。
楽な道があったり、人からプレッシャーを受けると、簡単に方針を変えてしまいます。
一個人なら悪影響は小さいですが、仕事で責任ある立場になると、
芯のない生き方は、通用しません。
責任者は、自分の理念を持ち、自分の責任で決断をするのが仕事です。
それができないと、組織は空中分解します。
ここまで書きましたが、私はまだ質問者さんの「Bさんへの関わる方針」を示し切れていません。
Bさんのような方は、実はとても厄介です。
③では、どのような方策が考えられるか。
3つほど、問題解決のために、使えそうな考え方を記してみます。
a、ルールを確認する。
b、逃げられないように、証拠を固める。
c、適度な距離を保つ
a、ルールを明確にする。
Bさんのようなタイプの方は、「ごまかすことが癖」になっている場合が多いです。
こういう方に有益な方法は、ルールを明確にすることです。
逃げられないように、外堀を埋めていくのです。
仕事ならば、マニュアルをもう一度確認しましょう。
その通りしていれば、OKですが、できていなければOUTです。(誰が見ても同じ基準で判断できるというルールが必要です。)
b、逃げられないように、証拠を固める。
Bさんが改善するためには、「正直になること」が本来は最も大切なポイントです。
しかしBさんは、「逃げること」が癖になっているようです。
そういう方と関わるためには、逃げられない(正直になるための)客観的な事実をつかんでおくことは、必須になります。
(必要ならば「その事実」を使って指摘をすることができます。しかしあえて指摘をしないこともできます。要は、情報を持っていることが重要です。)
もし、Bさんと「対面」で話をしなければならない時があったならば、
知恵深く「事前の準備」はしておくべきでしょう。
c、適度な距離を保つ
しかしながら、先回のブログでも指摘しましたが、質問者さんが過剰に感情的になることは避けるべきです。(あくまで穏やかに関わることを目指しましょう。)
Bさんの人生は、Bさんのものです。
仮にBさんが、問題を起こして仕事を辞めることがあっても、それはBさんの責任と判断です。(質問者さんの責任ではありません。そう考えると肩の力が抜けます。)
質問者さんができることは、指摘をするところまでです。
「穏やかな気持ち」で関わりましょう。
Bさんの負の判断に、質問者さんは責任を持つ必要はないのです。
それが理解できると、Bさんの負の反応に一喜一憂しなくなります。
(以前から書いている「境界線・バウンダリー」の概念ですが、ここでもこの概念はとても大切です。)
人間は理屈通りには、生きていけません。
(Bさんも、人間はすべて同じです。)
理想はあっても、現実の足りない自分を自覚しながら生きていくのです。
(ですから・・・できていないのに、できているふりをすることは、フィクションであり、都合の良いストーリーなのです。そしてこれは「大きな罪」です。これが今回のブログの強調点です。)
問題に出会った時に、問題から逃げず、
揉まれながら、改善の努力をしていく。
人間は、本来このように成長していくものなのです。
「自分は良い人」という絶対的前提は、あり得ません。
(人間は、どこかで必ず問題を犯します。)
エレミヤ(旧約聖書)17:9
「人の心は(陰険で)何よりもねじ曲がっている。それは癒やしがたい。だれが、それを知り尽くすことができるだろうか。」
「表面だけを取り繕えば良い」という考えも、危険です。
(冷静に考えれば、最も損な選択です。ばれた時に、確実に信用を無くします。)
Bさんが、フィクションの世界ではなく、現実を直視していけることをお祈りしています。
また、これらのやりとりを通じて、関わろうとする質問者さんご自身が成長していけますように、
祝福をお祈りしています。
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